野田 正彰
定価 :
¥ 1,890
発売日 :
2004/12
出版社/メーカー :
岩波書店
おすすめ度 :
(2 reviews)
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カスタマーレビュー
中国語と日本のつながり, 2005-02-10
- 表紙の写真は、著者の憧れの人に対する思い入れが選ばせたものであろう。若く美しい時代のもので中国語に関心がある人には、中国の海外ラジオ中国語の講座、また日本のNHKの中国語講座で10年ほど活躍された主人公はすぐに思い当たる人である。内容は、台湾出身の共産主義を支持する中国人学者の子供として、東京で生まれ高い教養の人々に囲まれて育った。13歳までの日本の生活期は、日本の中国侵略、第二次大戦の時期に当り中国人に厳しい状況であった。中国の日本帝国主義からの解放を機に台湾に移るが、蒋介石の中華民国政府組織の台湾での圧政等から共産党の解放地域への移動を図るがこれに3年を要する。日本で中国共産党の組織として活動していた父の手配で、放送局に所属し働く事になる。ときに16歳、中華人民共和国成立の1949年10月1日前からの放送局での生活を通して、建国初期から反右派闘争、大躍進、文化大革命などでの中国の生活の一部を知る助けになる。
しかし、作者の主人公への思い入れか、本のタイトルのように、個人の事情に終始してあまり歴史参考とはならない人物伝である。
キラキラと輝く目, 2005-01-23
- 本書には表紙をはじめとして、ところどころに生前の陳真さんのポートレートが収められている。まだあどけない少女のころから晩年近くに至るまで、いずれの写真も「いつの時代の映画スターなのか」と見まがうばかりに美しい。とりわけ、いかにも好奇心旺盛そうなキラキラと輝く目が印象的だ。しかし、陳真さんが生きてきた時代は、けっしていつでもキラキラと輝いていたわけではない。むしろ逆に、中国人として東京に生まれ、戦前・戦中は日本で、戦後は台湾・香港・北京で、今の私たちには想像もできないような苦労を経てきたことは、本書を一読すればすぐにわかる。だからこそ、なおのこと陳真さんのキラキラした目が印象的なのだ。いったい、その目は何を語ってくれているのか。頭のよさ、感受性の鋭さ・豊かさ、正義感と責任感の強さ。だが、何より、どんな困難に直面してもけっして希望を失わず、とにかく生き抜こう生き抜こうとして、実際にたくましく生き抜いてきた人のもつ生命力、その厳しさ・明るさ・穏やかさ。本書は陳真さんの生きざまをとおして、人が生きていくのに何がいちばん大切なのかを教えてくれる。著者のいかにも学者的な記述の退屈さを差し引いても、一読に値する。
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