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中国魅録―「鬼が来た!」撮影日記

中国魅録―「鬼が来た!」撮影日記

ちゅうごくみろく―「おにがきた!」さつえいにっき / かがわ てるゆき

香川 照之
定価 : ¥ 2,100
発売日 : 2002/04
出版社/メーカー : キネマ旬報社
おすすめ度 : (3 reviews)
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カスタマーレビュー
映画を見た人はぜひ, 2003-05-13
△映画製作日誌として実に興味深い本です。著者の文才もなかなかのものですが、実際に舞台裏で起こっていたことの凄まじさがこの本を重厚なノンフィクションたらしめているのでしょう。
 「鬼が来た!」の監督・姜文がスタニスラフスキーのメソード演技理論に基づいて出演者陣を鍛え上げていく場面は真実鬼気迫るものがあります。俳優たちにとって監督はまさに「鬼!」だっただろうなと想像します。
▼気になったのは、共演者でもある袁丁のことを著者がこの本でかなり悪く書いている点です。この映画の出演者の中で袁丁は唯一日本語が分かる中国人ですから、この本を読む可能性も高いわけです。日本語の読めない姜文監督の悪口ならまだしも、その袁丁のことをここまでこき下ろして書くということは著者と袁丁との関係がよっぽどのことだったのでしょう。ただ、事実だとしても彼のことをここまで悪く書くことはなかったのではないでしょうか。袁丁は政治家のような公人ではないので、彼をこうした出版物で厳しく批判することによって得られたり守られたりするような公共の利益があるわけではないはずです。となると彼への批判は私怨の域を出ないことになり、結局のところその批判する箇所の文章を私は「はしたない」と感じてしまったのです。
 自分への批判に対して公の場で反論する機会を得られないであろう袁丁の心中を思い、実に心落ち着かない読書となりました。
ディープな中国との格闘, 2002-06-03
 この本はカルトな戦争映画として話題の「鬼が来た!」(姜文監督)で準主役の日本兵役を熱演した香川照之による撮影日記だが、これを読めば、この映画の撮影が文字通り身体を張った中国との「対話」いや「格闘」の連続だったということがわかる。
 当初香川は、台本の迫力に引きこまれて自らこの映画に出演することを希望する。ところが希望がかなって訪れた中国の撮影現場は、彼の言葉を借りれば「映画の100倍は狂っていた」。ホテルのメイドに物は盗まれるわ、何事にもいいかげんなスタッフ達のせいで撮影は遅れまくれるわ、挙句の果てに麻袋に入れられたまま放置されてスタッフに土足で踏まれ、あまりのストレスに十二指腸潰瘍で入院したかと思えば、さらにそこで恐怖の治療が待っていた・・
日本人がなかなか垣間見ることのできないディープな中国の現実にいきなり放り込まれたとまどいや苛立ち、そしてやりきれなさを、香川はその一方で湧き上がる映画への情熱と共にリアルに描いている。そんな中国との格闘の中で極限状態に追い込まれた彼は、やはり戦争の中で極限状態に置かれていた日本兵に次第に同化し、当初はどうしても理解できなかったという、自分に親切にしてくれた村人に斬りかかっていく日本兵の心理状態をいわば身体で「理解」していく。
 「日中友好」という言葉の白々しさに国民の多くがうんざりし始めている今、映画ともども「日本人として中国に、そしてあの戦争にどう向き合うのか」ということを考える上で、格好の材料を提供してくれる本だといえるだろう。
香川照之はすごかった, 2002-05-06
この本を読む前にぜひ「鬼が来た」の映画を見て欲しい。あの映画の日本兵が映画になるまでにはこんなに大変だったのか!!!という苦労話から、苦労を通り越した異文化の不可思議さのユーモアに満ちた本です。読んで単純におもしろいです。というか、中国っていろんな意味ですごいなあ、って思います。
でも、何よりすごいのはチアン・ウェン。終章のオチはかなりうけました。

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