則松 弘明
定価 :
¥ 1,890
発売日 :
1999/06
出版社/メーカー :
海鳥社
おすすめ度 :
(1 review)
カスタマーレビュー
城井谷住民としての、この本の評価, 2004-05-25
- 今でも、一部の地域では、結婚式の際に何も知らない会場側が何気なく
「黒田節」が例えサイレント音楽で流れたとしても、場の空気が凍りつく。
未だに宴席で黒田節を歌うことは禁忌であり、破ったものは村八分なのだ。
この地域では、黒田節の由来とされる話が他の地域とは異なる。
正しくは、「加藤清正から槍を酒の飲み比べで飲み取った」、という内容が
「酒で酔わせて7歳の姫ともども釣り天井で謀殺、槍で止めを刺した」という内容に
改竄されて伝えられているのだ。
こういった、地域に流れる話が、多くが「作られたのだ」と言う事情が記されている。
実際には姫は10代であったし、一人を除き、女子含め一族郎党全て磔にされたので、
これは誤りであるはずなのに、それが現代に伝わっていない。
私も、この本を読むまでは、そして、この本を知らない多くの人々は、
未だに、この誤った説が真実であると考えている。その誤解を解くときに、
本書を紹介するようにしている。
追記:注意すべきは、この本をよく読むと出てくるが、豊前地方では「山伝いの文化」があったということ。
修験道の一大拠点であった菩提山があるがゆえなのか、今となっては定かではありませんが、
全国から落ち武者が落ち延びてきたりしていた、という伝承をあわせてみると、
作中に出てくる自称宇都宮家の子孫で偽伝を作りまくった「山師の右近」というのは、何者なのか、
420年も後にまで影響を与える山師ってどうよ、などなど、考えさせられる作品になっています。
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