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失敗学のすすめ

失敗学のすすめ

畑村 洋太郎
定価 : ¥ 1,680
発売日 : 2000/11
出版社/メーカー : 講談社
おすすめ度 : (21 reviews)
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カスタマーレビュー
失敗に学ぶ成功へのノウハウ。成功の裏にはこれほどまでに失敗の痕跡が, 2009-06-26
本書は失敗に関して、初めてスポットライトを当て、それを理論的に体系化したものだ。多くの場合失敗というものは個人も組織も隠したがるもので、誰しもが自分や周囲に悪影響を及ぼす失敗は、しないで済むならそれに勝るものはない。
ではそれにはどうするか。失敗は失敗に学ぶしかないのだ。恰も毒を以て毒を制するが如くに。読み進めるうちに、本書のアプローチは、経営コンサルティング的なアプローチであることが明確にわかる。失敗事例を多面的に捉え、仮説、検証、構造化を行うというアプローチが本書を通して述べられているからだ。失敗学の目指すところは、失敗というものを知識化し、致命的な大失敗を防ぐと同時に、大きなイノベーション、創造を生みだそうとするものである。
失敗学を勉強したからといって、失敗をしなくなるわけではない。人間とは失敗をしてこそ成長するからだ。企業や政府の致命的な失敗とその隠蔽を未然に防ぐ大きな力になるものだ。そういう意味では、金持ちになるのではなく、大損をしないための金融工学、ファイナンス理論と共通するところも多いような気もする。これを機に著者畑村教授の著作をより多く読んでみたくなった。
失敗に対して正しい向き合い方ができる本, 2009-03-11
うつ病からか失敗に対して過度な不安を抱いておりましたが、
この本のおかげでやっと失敗のプラス面に目を向けられそうです。
思えば、今まで失敗ばかりしていたように思います。
しかし、それを本当の意味で利用した事はありませんでした。
会社でも、個人でもそうです。
それがいかにもったいないことであるか思い知りました。
また失敗は回避できないという著者の言葉にも
勇気づけられます。
むしろ、行動して失敗することが正しい手順だと考えるようになりました。
このあたりはIDEOの発想術と似ていると思います。
とにかくアウトプットを重ね重ね、
モノをつくり上げたいと思います。
理屈より実績重視の実務家向け良書,内容は深く重厚, 2008-12-31
畑村氏の講演はこれまで何回か聴講しており(失敗学関連のお話),今さらと思いつつも手に取ったのが本書,もう少し早く読んでいた方がよかったと思ったのが実感です.失敗学の趣旨とは,失敗と上手に付き合うことを実利の伴うメリットまで高めることであり,失敗を肯定的にとらえることがポイントといえる.企業人としても,教育界にいる方にとっても大変役に立つ内容であり,失敗事例集は別途発刊されているにしても,その事例の豊富さには圧巻される.特に雪印(集団食中毒)とJCO(核物質取り扱いの臨界事故)のケースは生々しく感じた.一読することをお勧めしたい一冊である.
本書を読み進むうちに気付くこととして,経営学との共通点や(例えば,設計の思考過程のたどるらせん構造はCharles Fine のサプライチェーンデザインにおける二重らせん構造をイメージできる),心理学を重視した訓練失敗の提案などはセブン&アイの鈴木敏文氏の「商売は経済学で動くのではなく顧客の心理学で動く」を思い出す.失敗学は理屈とは異なる実学の部分を重視しており,まさに経営にかかわる実務家向けの発想に近いのかもしれない.一流の経営者の考え方は理屈では無く,実績として会社を継続し,成長させることが重視されるわけで,実学をベースとした発想が相通じるのかもしれない?
本書は一般向けの記述になってはいるが,特に理系の人が読み進めると意外にロジカルな組み立て方を感じることができるのではないか? 例えば,樹木構造を用いた要因分析(QCにおける特性要因図に近い)は非常に理解しやすい.
失敗は成功の始めりであることを示唆してくれる, 2008-11-01
 様々な失敗例をあげ、失敗することがやがて成功につながることを示唆してくれる。
 また、成功を維持するためには、「現地」「現人」「現物」を心がけるようにとあった。ようはよく見て、考えて、足を使って、しっかりと直接物事を向き合うということが大切だということだ。
失敗に対してニュートラルになる(若い人におすすめ、理由はレビューに簡単に記す), 2008-06-04
いやぁ、これはよい本。失敗を見てみないふりをするのではなく、それに正面から向き合い多くのことを学ぶことを提唱している。面白いのは失敗ピラミッド。失敗にもレベルがあって、簡単なケアレスミスから組織の失敗、社会の失敗、そして未知との遭遇に至る。未知との遭遇などは新しい技術が使われ始めたときなどに起こる。そういう失敗は一定の確率で発生する。しかし、そうでない失敗は防ぐことができる。
また、失敗の経験は客観的なものでは説得力が欠けることが多い、例えば、家族とけんかをして苛立っていたということや、自分に対する過信などそういう背景が説明に加わることによって臨場感のあるものになる。
偽者のベテランと本物のベテランの話も面白い。山登りの下見という任務をこの二人に課したときに、偽者のベテランは山登りなんて簡単だと豪語する。本物のベテランは慣れていたとしても、ただ上るだけではなく、雨が降ったときはこの未知を通ろうと考えたり、こういう場合には途中で引き返そうと考えたりいろいろな場面を想像してそのときの対応を考えている。また、本物のベテランは経験だけではなく、自ら積極的に勉強をし、経験に加え知識を身につけている。
日本社会の構造に染まる前の若い時期にこの本を読んでおくとうまくこの本の影響力を自分の人生に生かせると思う。失敗に関してのネガティブなイメージが染み付いてしまった人がこの本を読んで自分の考えを根本から変えるのは難しいかもしれない。
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   世界の三大失敗をご存知だろうか。タコマ橋の崩壊、コメット飛行機の墜落、リバティー船の沈没…。これらは人類に新たな課題を与え、それと向き合うことで我々はさらなる技術向上の機会を得た。一方日本では、JCO臨界事故、三菱自動車のリコール隠し、雪印の品質管理の怠慢など、失敗の隠匿がさらなる悲劇を引き起こした。

   本書によると、失敗は、未知との遭遇による「良い失敗」と、人間の怠慢による「悪い失敗」の2種類に分けられる。不可避である「良い失敗」から物事の新しい側面を発見し、仮想失敗体験をすることで「悪い失敗」を最小限に抑えることが重要である、と筆者は説いている。

   また、過去の豊富な例から学ぶことで失敗の本質を多角的に検証する方法や、時間がたつと形骸化してしまう失敗例を効果的に伝承する方法についても言及している。さらに、マニュアル化した対応方法では前例のない事態が生じたときに対応できなくなるとして、とっさの判断力や創造力を養う失敗経験を教育に取り入れることを提唱する。

   本書は、親しみやすい入門書の形で我々に「失敗学」の重要性を伝えている。世界の失敗の歴史についても多く扱っているので、読み物としても楽しめる。(佐藤敏正)


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