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クラインの壺 (講談社文庫)
岡嶋 二人
定価 :
¥ 800
発売日 :
2005/03
出版社/メーカー :
講談社
おすすめ度 :
(14 reviews)
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カスタマーレビュー
仮想現実の世界を体験するというゲームのおもしろさに惹き込まれた
, 2008-12-15
仮想現実の世界を体験するというゲームのおもしろさに惹き込まれて一気に読んだ。ゲームの展開がおもしろかっただけに、最後の結末はちょっと物足りなかったのだが、それでも十分に楽しむことができた。こんなゲームが実用化されたらと考えるとおもしろいと思うのだが、それ以上に恐怖心が植えつけられる作品でもあった。
さらに、本書が初出版されたのが1989年ということに驚いた。まだファミコン全盛期の時代に仮想現実の世界を体験するゲームという発想を考えたことが素晴らしく、2008年の今でさえも十分に通用すると思う。
時間の流れ
, 2008-11-10
2005年発売となっていますが
初版は1989年の作品です。
なので、肝であるパソコン関連の描写が時代を感じさせてしまい
個人的にはいまいちのめり込めませんでした。
設定もいいのですが現代から見ると「かわいいなぁ」といった感じで
悪く言えば幼稚・稚拙に見えてしまいます。
出た当時に読んだならリアリティがあってのめり込めたかもしれません。
時間は残酷だと思いました。
じわじわと現実を侵食するような感覚!
, 2008-08-27
「ええ?じゃあ結局…」
ラストの一文を読み終わったときの気分が上のような感想でした。
主人公はあるSF小説を書き、それを新人賞のようなものに応募します。大きく選考基準からはずれたその作品(長さが選考基準の何倍もあった)に目をつけたあるゲーム開発会社から「この物語をゲーム化したい」との電話が…。
試作品に触れて大興奮の主人公。
待ち続けること1年半、いよいよプロトタイプができたということで主人公はゲームのテストをある美少女と行うことに。
ターニングポイントはパートナ―の女性の失踪。
そこから物語は動き始めます。
果たして自分の感じている感覚が正しいのか?
信頼できる女性の言っていることが正しいのか?
通常見慣れた世界で起こる決定的な違和感。
ラストのラストまでその違和感を引っ張りながら、「ぴとっ」と張り付くようにストーリーが展開します。
特に中間部からはキーになる(と思われる)情報がいくつも出て、物語がガンガン進んでいきます!
派手なアクションが無い分、じわじわと侵食するように物語が入り込んでくる名作。
お勧めです!
空想と現実
, 2008-07-10
とにかく衝撃を受けました。読了後なんとも言えない気分に・・・
主人公である彰彦はある日、自分が原作者となった仮想現実のゲームにテスターとして招待されます。
そこで出会うのは梨紗という美しい女性。二人はすぐに打ち解け、仲は深まります。
すべては順調に進んでいるはずでした。ある事件が彼らの身に降りかかるまでは・・・
衝撃を受けた点はいくつもあるのですが、ネタバレしかねないので触れることができません。
主人公に感情移入しすぎるあまり自分自身も主人公と同じ恐怖と疑問を抱く、それほどのリアリティを持った作品です。
驚いたことにこの作品が作られたのは、1989年ということです。
しかし本作は今読んでも全く違和感がありません。
それどころかこれから後何十年もほぼ改稿することなく読み続けられるのではないかと思います。
それほどに完成され、先を見据えられた物語です。
空想と現実、真実と嘘が入り乱れた不可思議な世界を恐怖と共に体験できるお話でした。
Moebius’s trip
, 2007-11-04
メビウスの輪を知ったのは、小学5年生のときだった。
紙には表と裏がある。わざわざことばにしなくとも、そんなことわかっていた。
では、その表と裏をつなげたらどうなるのだろう。
表も裏もなくなってしまう、という先生の説明はしっくりこなかった。
表だけになってしまった。そっちの方がしっくりきた。
だけど、表が裏を殺した、表が裏を食べてしまったようでこわかった。
クラインの壺という空間のイメージはよくわかりません。
この本を読んで沸いたイメージは、むしろ、
メビウスの輪を平行に並べ、その間を行き来するような世界です。
この小説で、表や裏を提示する必要はないと思います。
自我を持ってしまうと、もう自我のない世界には戻れない。
それと同じように、
一度入ったらもう戻れない世界、それがクラインの壺。
主人公も読者もいっしょ。だから、ホラーとは一味違う恐怖が沸いてくる。
RPGが味だから。
僕は自分がいる方が表で、自分が進む方が前だと思っているつもりです。
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