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貧困の克服―アジア発展の鍵は何か (集英社新書)
アマルティア セン
,
Amartya Sen
,
大石 りら
定価 :
¥ 672
発売日 :
2002/01
出版社/メーカー :
集英社
おすすめ度 :
(15 reviews)
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カスタマーレビュー
民主主義の重要性。
, 2009-04-19
ノーベル経済学賞を受賞した、
アルマルティア・セン氏の講演をまとめたもので、
民主主義の重要性を中心に展開されています。
読み手(私)の問題なのかも知れませんが、
読んでみて、
「へぇ。そうなんだ」
という感想しかありませんでした。
文章自体は講演を基にしているので、
読みやすいです。
ただ、話が重なっている部分があるので、
残念でした。
かなり評価が高いようですが、
教養のある人には驚くべきような内容なのかも知れませんが、
私個人としては、驚くべき箇所がわからなかったです。
この本の良さがわかるように、
努力しないといけないかもしれませんね。
評価としては星3つとさせていただきました。
心が洗われる思いの講演集
, 2008-12-11
これはノーベル経済学賞を受賞した学者であるアマルティア・セン氏の講演集である。経済学者にしては述べていることが哲学的であるなあ、と思っていたら、後でこの本の訳者が解説してくれるには、セン氏は経済学と哲学の橋渡しを目指しているのだそうだ。ちなみに、この訳者の大石りら氏の訳と巻末のセン氏についての解説が真に適切で、セン氏の思想をよく理解しているからこその名訳だったのだなと感心した。
自分自身の思い込み或いは傲慢をいましめてくれたのは、セン氏の言う、民主主義の普遍性である。リー政権下のシンガポールの発展をして、発展途上国においては権威主義的体制国家のほうが経済発展に寄与する、との考えは常に為政者からの発言であり、一般庶民のそれではない、とセン氏はボツワナの事例を挙げて反論する。そのことは、別の言葉で言うと、民主主義、或いは社会の透明性に欠ける社会においては、10%の経済減速が及ぼすことの重大さは、国民一人ひとりが10%づつの負担をするということではなく、困窮にあえぐのは低収入の人々で、一部の富のある人たちにはほとんど影響はない、という事例でわかりやすく知らしめててくれる。
飢饉は食糧不足が原因ではない、巷の情報を隠したり、批判勢力を抑圧するという民主主義の欠如(独裁政治)が引き起こすのである、という説明には目からうろこが落ちる思いであった。
セン氏は更にアジアに対する一部西洋社会の人々による、民主主義或いは寛容性に対する誤った見方について、アショーカ大王の宗教に対する慣用性を引き合いに出して正している、中世の西洋におけるキリスト教異端者裁判のようなものはアジアにはなかった、という考察である。
経済学者だから何ほどの難しいことを言うのだろうかと思っていたが、真にわかりやすい語り口で、こういうものを読むことによって心の安らぎを得ることができたのはなによりであった。
当たりさわりなし
, 2008-08-06
発展とは何かについての講演録。
<「発展とは、GNP成長、所得や富、また財を生産したり、資本を蓄積したりする以上のことを意味している。ある人が高収入を得ていることは、彼の人生における選択の一つであるかもしれないが、それは人間の生の営みすべてをあらわしているとはいえない」[…]「発展のプロセスは、人々に対して、個人的にも集団的にも、その資質を完全に開花させることを可能にして、また同時に、そのニーズや利害に応じた生産的かつ創造的生活を営むことができるような政策環境を創り出さねばならない。人間的発展はしたがって、人間の潜在能力を形成するだけではなく、これらの潜在能力をいかに活用し、発揮させるかということにも関わっている」>(p. 170、「解説」中の訳者による引用)
ということ。なんだかいろいろ書いてあるが、本書のタイトルになっている「アジア発展の鍵」とは、要するにそういう政策環境のことである。当たり前のことである。
ということで当たり前のことを当たりさわりなく述べているだけの、当たりとはいえない一冊。新書と比べるのもなんだが、『セイヴィング・キャピタリズム』のなんかの方がよほど中身のある議論を展開している。
非常に分かりやすい
, 2007-03-09
貧困の克服は非常に分かりやすいです。
重要な要素が簡潔にまとめられています。
いくつかの考察は、今でも意義が薄れていないです。
学部の人だけではなく、普通の人も一読をお勧めします。
世界で最も重要な問題
, 2006-11-19
本書は、「貧困」という最も恐ろしい問題に対する優れた分析と、発展のために何
が必要かが述べられている。
内容については他のレビューに詳しいですが、更に付け加えるならば、本書は貧困
と発展の問題の考察を通じて、人間に最も必要なこととは何か、を教えてくれるこ
とです。
実践的というよりは理論的内容になっています。なので、2006年度ノーベル平
和賞を受賞されたムハマド・ユヌス「ムハマド・ユヌス自伝」をも合わせて読まれ
ることをお勧めします。ここには、グラミン銀行を通じた、貧困撲滅のための「実
践」が述べられているので、センの言う理論の現実が見えてくると思います――両
者は必ずしも矛盾するものではありません。
もう一つ……本書はアジアにおける貧困と発展の問題を述べていますが、それは、
決してアジアに限られることではありません。ですから、本書では普遍的な価値を
有する議論がなされています。
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