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閉鎖病棟 (新潮文庫)
帚木 蓬生
定価 :
¥ 580
発売日 :
1997/05
出版社/メーカー :
新潮社
おすすめ度 :
(40 reviews)
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カスタマーレビュー
医師作家作品
, 2009-03-01
半年以上前に読んだ作品です。今でも思い返します。登場人物一人一人、しっかり際立っています。主人公の男性(名前を忘れてしまいました)には精神障害はまるでないような錯覚になりますが、やっぱり精神に障害があるのか。と納得しながら読んでいました。小説なのに登場人物の「顔」までわかるようです。山本周五郎賞をいただいた作品である以上、ぜひ読んでほしいと思います。レビューのタイトルどおり、作者は現役の精神科医。今まで医師作家の作品を数作品読みましたが、ハハキギさんの作品は医療関係者でなくても、誰でも読みやすいと思います。他作品の解説でも書かれるハハキギ作品の「すがすがしさ」ぜひ、感じてみていただけたらと思います。
とりあえず読んでみな!
, 2009-02-04
単行本が出たのが'94年、文庫本が'97年、オレが読んだのが'09年。
なんで今まで読んでなかったんだろう……そう思う作品や。
タイトルを見て「暗そう」って思ったから、これまで読まへんかったけど、ぜ〜んぜん暗くなかった。
簡単に言うたら精神病院の精神病患者の話。なのに暗くないし、半端な明るさも無い。
ただ淡々と、日常を過ごし、結末に向かっていく。
視点は、Iでもなく、youでもなく、第三者なんだけど、まるで私小説のように登場人物に感情移入してしまう。
語ってしまうと、内容が分かってしまいそうなので言わないけど、とりあえず、借りてでも良いから読んでみて! ホンマにエエ話しやから。
恥ずかしながら、オレはウルウルしちゃいました。
素晴らしい小説の代表にもなれる作品だと思います。
, 2009-01-29
お話の展開、舞台となる設定等は、他の方のレビューにもありますし、あらすじを書く愚は避けたいと思いますが、ある精神科病棟のそれぞれの患者の、年代も、背負った過去も、視点も、その結果の今の自分も、あまりにもかけ離れた人たちが、他にどこへも逃避もできない環境の中で、繰り返し接し続けなければいけない中では、それぞれが、どのように抑制し、忌避し、自らも欺いたりしていくか。という捉え方をした時、それは、彼らだけの特異な問題ではなく、今、健常者として普通の暮らしをしている我々自身にも、まったく当てはまることの多さを痛感しました。この作品は、社会においては、とりあえず異端者ではなく異常者でもない健常者とされる我々に対しての示唆の多さを感じます。人間にとって、本当に小さな思い出や、ささやかな幸せが、どれほど尊いものか・。とても含蓄のある作品であると絶賛したい読後感でした。
続けて別の作品も読みたくなりました。
, 2009-01-11
作者は精神科医らしい。物語もある精神科病棟の中の出来事。最初はそこの入院患者が一般の世間でどのような事件を起こしてその病院に収監?されるに至ったかなどの描写があり、後半はその病院の中で繰り広げられる色々な出来事、そしてまさかと思ったが殺人事件、その裁判までの話しが描かれている。
この本の評論はとても難しい。どのように感じるかも人それぞれだと思う。
何か犯罪が起こっても精神病院の履歴があるという事で、実名報道がされなくなったり、かと思ったらこの前の幼児殺人事件の犯人は履歴があるにもかかわらず顔まで何度も写されていたし、先日捕まった浮浪者殺しの容疑者も報道は慎重。この差は何なのだろう。そもそも誰が線を引いているのか?
あと「だから精神病患者は隔離せよ」などの極端な意見の差別論者のコメンテーターもいるか、たまたま朝日新聞の社員が痴漢で捕まったら、朝日新聞の社員はすべて痴漢だと言っている様な者で、それこそ個人差があってしかるべき。
そのような人たちすべてが安心して暮らせる社会を作るのが政治だろう。しかし今の政治は、官僚の利益確保にしか目が行かない…。
だからやはり一度政権交代をしなければならないと思う。
全然違う方向にまとめてしまいましたが(笑)、それくらい考えさせられるテーマであり本です。
精神科の病院を舞台にした群像ドラマ
, 2008-09-15
文庫になって版を重ねるロングセラーであるとともに、最近では大手書店の三省堂がキャンペーンを張り、注目を浴びた山本周五郎賞受賞作である。
本書は、精神科の病院を舞台にした群像ドラマであり、そこで暮らす患者たちの日常を、患者目線で淡々とドキュメンタリータッチで描いている。
歌を詠むチュウさん。それを清書する秀丸さん。外来で通ってくる女子中学生の島崎さん。耳が聞こえない昭八ちゃん。昭八ちゃんの甥の敬吾くん。そこには、健常者と何ら変わらない個性のある人びとがいる。しかし、彼らは何らかの理由によって外の世界では生きられない精神病患者なのである。ここにいるだけの理由が、それぞれにある。
作者は本書で、あえて精神科医であるという自らの専門分野を題材に取り、「閉鎖病棟」を管理化された私たちの社会全体の象徴としてとらえている。物語の後半で起こる殺人事件も含めて、そこで起こるさまざまな出来事は、私たち一般社会の縮図なのである。そうであるがゆえに、読者は共感し、本書からなんとも言いようのない感動をおぼえるのである。
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