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こまった人 (中公新書)
養老 孟司
定価 :
¥ 735
発売日 :
2005/10
出版社/メーカー :
中央公論新社
おすすめ度 :
(10 reviews)
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カスタマーレビュー
こんな社会を作った大人も悪いが、若者はもっと気楽に辛抱をして
, 2010-02-04
落語では、昔の長屋では困ったことやまとまらないことなどがあると「隣のご隠居さん」に相談にいく。平生は偏屈で、頑固でうるさいイメージがあってつきあいにくいのだが、やはりいざという場合には昔の出来事も知っているし、知恵もあって頼りになる。本書のイメージは、なかばそんな感じである。
中東問題では、アラブの金持ちがロンドンの高級資産を買い漁っている現実とアラブ諸国が貧乏からテロリストを生み出している現実のギャップをみて、アラブ諸国はもっと自分で自分のことを解決する努力がたりないと、日本は敗戦の荒廃を自分自身の必死の努力で立て直したことを対比させて辛口に批評している。イラク派兵においてアメリカはお節介に過ぎており、なぜ日本はアメリカの言いなりになっているのか理解できないとしている。アメリカと共同歩調をとらなければバスに乗り遅れるように判断する外交にダメだし、イラクでテロリストに殺された二人の日本人外交官をめぐっては、現場をコントロールせず、責任をとらない姿から戦前の関東軍を思い出して、反省を求める小泉首相あての書簡を披瀝している。「アラブのことはアラブに」ということである。
今頃の若者に対しては 「仮に若者に問題があるとすれば、大人がバカなことを教えたからであろう。なにを教えたかというと、「本当の自分」「個性ある私」なんてものを、暗黙に教えたのである。そんなものはないと、最近は口を酸っぱくしていわねばならない」「将来に希望がないといって自殺する。その「将来」は外の世界ではなく、自分のなかにしかない。――――自分くらいどんどん変えたらどうか」とアドバイスしている。
本書は、昭和十年代の戦争を経験した世代からいまどきの若者に贈られた良書である。
始祖
, 2008-08-04
他の方のレビューにもある小泉首相への手紙も読み応えはあるが、個人的には「人格否定」の章が好きである。人は常に変わること、学問の魅力もそこにあること等。「自分探し」などにはなにやら懐疑的な思いを感じていた私には、面白く思えた。著者の「死の壁」、「バカの壁」等も読んでみたがこれが一番好きである。
今でも養老氏は戦っている・・・
, 2008-05-29
敗戦から50年以上が経過。
当時、小学校2年生だった養老氏であるが、
それ以来、心の底で「敗軍の将、兵を語らず」として
語らずに戦いを継続してきたと述懐する。
敗戦の後に「物づくり」によって世界を向こうに
大成長した、本田、松下、ソニーを語りながら
日本人は「物づくり」が得意だった訳ではなく
「確実なもの」を求める心理、時代の雰囲気が
「物づくり」に向かったと分析します。
本田、松下、ソニーと同じく、養老氏もまた
「確実なもの」を求めて、戦争を継続していたのでした。
このシリーズで展開される時事評の鋭さや、
本職の仕事を続けるエネルギーの源泉を垣間見たような
気がします。
エッセイですね
, 2007-12-14
主に時事問題についてのエッセイですね。
どんな本を読んでいたのかは知りませんが、東大に通う時は鎌倉の自宅から電車の中では往復読書をしていて、その読書時間が丸々3年間だったというだけあって、教養が深いなと思います。
解剖学者ですが、その他のことについても造詣がありますね。
じじいのぼやきだなんて書いてますが、読んで損はなかったです。
でも時事問題を扱っているので、出版されてからあまりに時間が経ってしまうと無意味かも。
☆一つ減らしたのは、養老先生の本は何冊か読んでいて、重複するところが多少あったからです。
気楽に読める楽しい本
, 2006-05-27
中央公論の連載コラム(2003/6-05/10)をまとめた本で、取り上げられているテーマはやや古いです。ただし、同様の本である『まともな人』よりも読みやすいと思いました。この要因は、本書の方が新しいため、(1)読み手が話題となっている出来事を思い出しやすい、(2)書き手も連載を通じてコラム執筆のコツを覚えた−事が背景ではないかと(勝手に)想像しております。
3年も前のコラムを今更読むのは・・・と思われる方もいるやもしれませんが、例えば「イラク派兵問題」は(私のような凡人にとっては)ある程度時間が経った今の方が、氏の指摘の鋭さを実感できるものと思います。
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