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脱フリーター社会―大人たちにできること

脱フリーター社会―大人たちにできること

橘木 俊詔
定価 : ¥ 1,575
発売日 : 2004/11
出版社/メーカー : 東洋経済新報社
おすすめ度 : (2 reviews)
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カスタマーレビュー
中身のない軽薄な本, 2005-01-22
率直に言って京都大学教授が書いたとは思えない本である。基調はフリーター
はけしからんから若者は正社員になって働け、政府は若者が正社員になるのを
促進する政策を行うべきというものである。若者に職業訓練を施して、正社員
になりやすくするようサポートする政策を薦めるのは理解できるが、正社員を
雇用しない企業を批判し、企業に正規雇用を増加するよう倫理的に求めている
あたりは現実を知らない象牙の塔の住人であることを窺わせる。フリーター問
題の本質はデフレによって正社員の実質賃金が上昇しているものの名目賃金が
下げられないためそのしわ寄せが若者に行っていること、市場経済では避けら
れない変化の調整費用を誰が負担するか、合理的企業が正規雇用よりも非正規
雇用を優先してしまう社会保障制度(企業はフリーターの健康保険や年金の負
担をする必要がない)をどう変えていくかであるが、その点に対する言及は見
られない。あえて評価するとすれば、大学の文理比率の問題に言及しているこ
とだろう。確かに私大を主として日本は文科系の比率が高すぎ、これが問題を
増幅しているのは自明である。本書では文科系の大学教員のリストラを求めて
いるが、現実的に不可能であろう。総合的に見て中身のない軽薄な本と結論付
けざるをえない。
単著にするのはきわめて不誠実なうえ、中身もまったく不十分。, 2004-12-12
第1部、2部にわかれていて、1部は著者が書いて、2部はその研究室の学生たちが書いたそうな。だったらそれを単著として発表するのは不誠実きわまりない。さらに情けないことに、先生が書いた部分より学生が書いた部分のほうが、相対的に優れた出来となっている。
 橘木による第一部は、そもそもフリーターの何がいけないのかまったく述べずに議論が展開されるため、何を騒いでいるのやらわからん。香山リカの思いつき書き殴り本が主要な参考文献になっていて信頼度もがた落ちだ。フリーターの多くは責任ある仕事につきたくないそうで (p.34)、所得分布もかなり均一だ(p.20)。だったら現状は、責任を持ちたくない人がその分安定性の低い仕事についている健全な需給マッチで無問題でしょ。そして最悪なのが提言。フリーターを減らすために、若者に結婚しろと提言する! たかがフリーター減らし貢献のために、だれが無理してしたくもない結婚するもんか。聞く相手のいる提言してくれ。
 一方、第二部はもう少し堅実ではあるんだが、フリーターがなぜいけないか、やっぱり説明が弱い。さらにフリーター増の原因は企業にあるというんだが、フリーターへのアンケートによれば、7割近い人が就職先はあるのに勤務地や給料やその他条件があわない、という理由でフリーターをしている(p.151)。だったら原因は企業じゃなくてフリーター側がぜいたくを言っているのでは? 企業は別に、無理して自分たちの要求条件を曲げてまでフリーター様に正社員になっていただく義理はないのです。だからその後の提言も説得性がない。
 結局全編とにかくフリーターを減らすべきだ、というのが前提になってしまい、議論がゆがみまくり。マッツァリーノ『反社会学講座』のフリーター肯定論に応えられないものは、いまやまったく無意味でしょう。学生さんの努力に免じて星三つ。だけどお勧めしません。

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