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夜のくもざる―村上朝日堂超短篇小説
村上 春樹
,
安西 水丸
定価 :
¥ 2,039
発売日 :
1995/05
出版社/メーカー :
平凡社
おすすめ度 :
(12 reviews)
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カスタマーレビュー
村上春樹+糸井重里
, 2010-03-17
村上朝日堂の短編集。
安西水丸のカラーの挿絵がうれしい。
村上春樹の超短編に会わせたナンセンスな安西水丸の挿絵は、不思議な緊張感がある。
事情を知らずに読み始めたときに、既視感を感じた。
以前どこかでこんな感じの文章を読んだことがある。
そのモヤモヤは、「あとがき」を読んで氷解した。
この本の短編は広告に使われたもので、その依頼者はなんと糸井重里だったからだ。
そう、この文章の雰囲気は「夢で会いましょう」の雰囲気と非常に良く似ていたのだ。
彼の作品の「ファミリー・アフェア」という短編のなかで、主人公が妹に強烈に批判されるシーンが出てくる。
「つまらない冗談」。
その「つまらない冗談」が炸裂しているのがこの「夜のくもざる」。
これほど楽しい短編集がそこいらじゅうに溢れている訳はない。
春樹の「軽み」が凝縮された作品集
, 2009-12-12
90年代後半に、J・プレスやパーカー万年筆の雑誌宣伝のために糸井重里が企画した超短編シリーズ。作家本人も広告効果をあとがきで心配していますが(笑)、こういうフワフワした広告企画が実際に通ってしまった当時の「業界」の雰囲気には、不景気な今とは隔世の感を感じます。内容の方も企画同様にフワフワしたナンセンス・ショートショートで、重く暗い長編作品が増えてきていた当時の春樹が息抜きのように気軽に書いているのが伝わってきます。
「広告」というメディアの特性上、重いテーマが入れ込むこともなく、春樹特有のポップな味わいのみを手軽に読めますが、どの話も3ページ程のボリュームなので、仕事で忙しい人でも隙間の時間に手に取りやすいでしょう。
ケチをつけるとしたら、僕は90年代後半以降の重くて暗い側面が春樹作品の魅力を深めたと思っているので、そこを削がれたこの作品集は物足りないところがありました。この点が個人的に星を削る理由となったのですが、春樹作品に軽さを求める読み方の方が一般的だと思うので、そういう読み手にとってはこの作品集は春樹のエッセンスが凝縮されたように楽しめるでしょう。
冗談を語り、哲学を醸す。
, 2007-08-07
イラストの抽象的なイメージもそうですが、村上氏の短編に含まれる、どこか哲学的な世界観が私は好きです。何を意味しているのかと聞かれると、私には全くわかりませんが、どことなく他愛もない冗談の中に重要な何かが隠れているような気がして、常に楽しめる。
意味がないからつまらないのか、と言うとそうでもなく、哲学がわからないから面白くないのか、と言われてもそうでもない。退屈せずに一冊の意味のわからない短編を読み続けていられるというのも、村上氏の類まれなる―私は今までにその類の文章を見たことがありませんが―文章力によるものだと思います。
村上氏の文章に憧れて、このような短編を書いてみようとしても全くできない。本書におさめられているような本当に短い短編を書くという行為でも、やはり村上氏の絶大な筆力、想像力に圧倒されてしまいました。
一時間足らずで読めてしまうので、村上氏の作品を読んだ事のない人にはやや抵抗があるかもしれませんが、いくつかの作品を読んで面白いと感じられる人であれば、一読の価値はあると思います。
切りつめられ練られた文章とおしゃれなイラスト・・・
, 2005-06-09
村上朝日堂の副題がついた超短編集。超短編ということで数ページの不思議な雰囲気の作品が並ぶ。安西水丸の極彩色のおしゃれなイラストがつくところは村上朝日堂の他作品と同じ。
従来の村上朝日堂がエッセイ集であったのに対すると、本書は短編小説、それも作品の長さからはさながら星新一のショートショートより短いくらいの超短編。もちろんテイストは村上調。印象的な短編を多く書く著者らしく、切りつめられ、練られた文章は妙技といっていいのかもしれない・・。
渡辺昇や笠原メイといったどこかで見た登場人物が登場していたり(とはいえ、「ねじまき鳥」の登場人物と同一人物というわけではない)、各所で村上ワールドを彩ってきたギミック、音楽、小道具、メタファが登場したりと一編一編は短いといっても著者のファンにはニヤリとするものが少なくない・・・。
さて本稿は文庫版の推薦文ではあるが、本書についてはぜひハードカバーも見てほしい。文庫でももちろん安西水丸のイラストはカラーできれいに収録されているのであるが、箱や表表紙などおしゃれで凝った装丁のハードカバー版は一見に値する。
とにかく可笑しい
, 2005-05-26
大人になった今だから分かる笑いですね。
(なんて書くと今の私がいかにも大層な者みたいですが・・・)
圧倒的な不条理を笑いに昇華させるユーモアセンスはやはり並大抵のものじゃないなあ、と思わせられます。
また、安西さんのイラストがいいんだ、これが。
凄いよ、この2人のベストマッチっぷりは。
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