Yasazon ヤフー経由でアマゾンを検索!

文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)

文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)

ジャレド・ダイアモンド, 楡井 浩一
定価 : ¥ 2,100
発売日 : 2005/12/21
出版社/メーカー : 草思社
おすすめ度 : (15 reviews)
類似商品
カスタマーレビュー
グルーバル・イッシューの最良の教科書(の1つ)と確信, 2009-12-31
上巻から引き続き読みました。第二部(過去の社会)、第三部(現代の社会)は優れた内容ですがあまり印象的ではありません。 上巻の印象が鮮烈だったからです。 しかし、第四部(将来に向けて)では、環境と文明の興亡の相互作用について著者の見解が述べられており、環境保護派に往々にしてみられる偏狭さを脱した冷静な論議展開で共感するところが多かった。最後に、丁寧な文献リストが添えられており、翻訳されてるものはその原著・訳書の双方と詳細な説明があり大いに参考となった。
知的好奇心を刺激する、ミクロコスモスからグローバル化世界へ(下巻は人類の未来への警鐘), 2009-08-16
上下巻、800ページを超える大著です。
独自のあくなき知的好奇心から、過去、現在、そして、グローバル化した
世界の将来の生き残る「智慧」を、環境問題と人間の経済活動との相互作用と
人間の智慧を軸に、消滅し滅んだ文明社会と、連綿と行き続ける社会システム
との差異に注目し、一片の事実を丹念に収拾し、統合し、仮説を検証し、結果
として、人類の将来へ警鐘を鳴らす稀有な書です。
著者がなじみある米国モンタナを出発点に、過去(イースター島、マヤ文明、
バイキング、南洋の島々、グリーンランド)に、文明と経済社会を築きながら、
もはや現代では消滅した民族、文化、文明を、圧倒的な実証検証、学説、書籍
などの情報を丹念に丹念に収集しながら、それらを、学会や学説などの定説の
枠組みにとらわれることなく大胆に、しかし繊細に再構築して、環境問題に
迫る。
本書が、他の巨視的な歴史検証の類と違うのは、著者が鳥類学者、昆虫学者で
あり、しかも、それにとどまらず、森羅万象に興味をもって、事実や仮説が
学説を丁寧に広いあつめて、ボトムアップ手法で、各文明が消滅、もしくは
衰退していった理由を導き出していく道程にあります。
下巻では、現在社会の検証として、人口経済学を皮切りに、ルワンダ大虐殺、
ドミニカ共和国とハイチの惨劇、それに、中国の近代化と人口爆発に伴う
環境破壊、それにオーストラリアにおける資源採取と環境破壊を検証する。
当初の5つの検証ツール(人類による環境破壊、気候変動による環境破壊、
民族に対する近隣の敵対集団、近隣からの支援の減少という要因、
それにさまざまな問題への社会への対応方法)を、グローバル化した
世界全体の今後に当てはめてみるという仮説を展開し、
企業の役割に期待していきます。
日本には、梅棹忠夫「文明の生態史観」という、すぐれた歴史観の
書がありますが、本書は、それに匹敵するくらいの、こわだりの
フィールドワークの結晶といえます。
文明の崩壊を考察し、導いた結論は…, 2008-09-23
上巻より続く第2部の残りで過去から存続している社会へ目を向けることから
下巻ははじまります。
ここでは、ニューギニア高地、大西洋南西部のティコピア島、そして、森林資源が
損なわれた江戸時代初期の日本を取り上げ、危機的状況に陥りながら、存続へ向けた
舵を切ることで、結果として現在も維持されている社会として取り上げています。
社会的な要因とともに、世襲制が比較的安定していた江戸時代に「環境問題への
社会の対応」の面から、建造物資材、緑肥、薪などに使われる森林資源の利用を
持続可能な管理方式へと幕府というトップダウンにより実施されたことなどが
功を奏した、と考察されています。
続く第3部では、「現代の社会」の例に目を向け、ルワンダ(近隣の敵対集団)、
ドミニカとハイチ(環境被害)、中国(環境問題への社会の対応)、オーストラリア
(友好的な取引相手、環境問題への社会の対応)を詳細に観察し、主要因から
引き起こされる悲劇的状況に真っ直ぐ目を見据えながらも将来への明るい兆しを
付け加えることを忘れません。ここまでで環境面が主効果とされる流れができています。
更に第4部の「将来へ向けて」で、著者の持論が展開され、現在を生きる私達は
いかなる未来を創造するかという選択を迫られます。しかしながら、ここへきて、
やや性急に答えを求める余り著者の意見が環境面に偏りすぎる傾向があることは
否めません。
それでも、現代の複雑かつ相互に関係する集団(国家)の各々および総体へ向けて、
崩壊へ至る各段階、(問題の予期の失敗、問題の発生の検知の失敗、解決案の
立案・実施の失敗、実施内容自体が失敗)の内容を上巻からの多数の事例を元に
丁寧に導き、解決するべき問題を12挙げ、解決策が「最も重要な問題を
解決するだけにとどまらないこと」という、私達の安直な姿勢を戒めることを
忘れておらず、問題のどれかひとつでも未解決のままに残されれば、私達
(すべての国家)は甚大な被害を被ることになる、という重要な警告を発した
意義は大きなものだと思います。
過去に学ぶということが、今のわれわれにとって重要であり、これが人類にとって貴重な財産であると思った。, 2007-10-20
 いろいろと考えさせられる本である。
 本書の上巻では、五つの閉ざされた過去の社会の崩壊の物語が披露される。
 南海の孤島イースター島の繁栄と崩壊。ピトケアン島とヘンダーソン島、マンガレヴァ島三島の交易と消滅。アメリカ南部に築かれたアナサジ遺跡が語る環境と旱魃。マヤ文明の環境破壊による旱魃と戦争。ノルウェー領グリーンランドに持ち込まれた中世ヨーロッパ型社会の崩壊。
 いずれも、人間が入植し自ら環境破壊をし尽くして文明を極めた後、突然の崩壊が見られる事例ばかりである。
 これを踏まえて下巻では、ルワンダの大量虐殺の背景にあるもの、同じ島にある二つの国ドミニカ共和国とハイチの環境の対比、大国中国の抱える環境問題、オーストラリアに進行しつつある危機などなど、現代社会のいたるところに見られる環境破壊を考察している。
 その上で、最後に将来の展望を記している。著者は「慎重な楽観主義者である」として、この本を人類への警鐘の書として送り出したものであると結んでいる。
 そのとおり、過去の崩壊した社会はいずれも、ほかに情報のない世界であった。過去に学ぶということが、今のわれわれにとって重要であり、これが人類にとって貴重な財産であると思った。
地球という井戸の中の蛙, 2007-05-22
 高校で物理学を最初に教わるときには、「無限のフラットな空間の中に、大きさゼロの質点ががあるとする」というかなり無理な設定からスタートしました。こういう無理な設定は日常感覚とは相容れないのですが、学問というものは「学問としてシンプルに分析できるものを対象とする」か「現実とは多少違ったとしても、議論しやすいように単純な系を仮定する」ことを前提としているのでしょう。そういう環境に長く深くかかわると、マインドセットがそういう仮想空間こそ現実だと感じるように切り替わってしまうのだと思います。
 下巻では、上巻で紹介された失敗例と対比できるような”成功例”がでてきますが、よく考えれば両者にあまり差がないことに気づきます。失敗例は、歴史的に既に失敗して文明が散逸してしまった事例でした。一方、成功例のほうは、ある期間それなりにうまくやっていた事例でしかありません。けっして永遠の成功ではないのです。あくまでもある期間の話です。失敗するまでは成功しているというだけです。
 いずれの例でも数百年単位でみれば再試行が可能だったということでしょうか。前提として、「環境全体に比較すれば、その社会・文明のサイズは十分小さい」という理想系の想定が現実に近かったからでしょう。
 さて、今の人類社会の状況は、この仮定が成り立たない段階にきています。恐竜の歴史を博物館ではなく日常で感じることになっても不思議ではないかもしれません。

最近クリックされた商品 (更新停止中)
文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下) を含むリストマニア