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オデッセイ1966~2003―岡田史子作品集 (Episode1)

オデッセイ1966~2003―岡田史子作品集 (Episode1)

岡田 史子, 青島 広志
定価 : ¥ 1,470
発売日 : 2003/06
出版社/メーカー : 飛鳥新社
おすすめ度 : (5 reviews)
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カスタマーレビュー
これは「美しい」と言っていいでしょう, 2007-08-12
萩尾望都さんが「天才」と崇めた伝説の漫画家。一方で呉智英氏がその作品に内在する「幼稚な正義感」を批判したりもしました。確かに万年思春期症の独善性が充満する世界ですが、私は萩尾さんの肩を持ちます。岡田さんの提示するテーマ性には興味はありません。精神病院でボードレールの『悪の華』を諳んじる少年とか、『赤い蔓草』の陰気な芸術家兄ちゃんの示唆する「市民対芸術家」的なテーマとか、いずれも「ギャー!」と悲鳴を上げたくなるくらいのものですが、それら全てを乗り越えて、岡田史子さん、絵が素晴らしい。
彼女の作る画面には「魔」が潜んでいます。加えて、この妙な言語的迫力。絵と言葉の力に押されて「なんなのこれは?」という作品群を読み切ってしまえる。そもそも無きに等しいストーリーに乗せて浪漫主義と深刻趣味と芸術趣味を披露しまくってなお全く安っぽくならない、という辺りからして普通の才能ではないです。普通ならこんな思わせぶりな台詞やら思念やらがとぐろを巻く世界には誰も付き合いません。別にキャラに魅力がある訳でもなし。すごいなぁ、才能というのは。
特に『墓地へゆく道』は大傑作です。唖然とするばかり。美しくて、最高に不気味です。イメージも言葉も凄まじい。テーマは「エロスとタナトス」だと言われても笑いませんね、これくらい凄いと。
私は七十年代後半に花開いた才能が少女漫画界を賑わしていた時代に最も少女漫画を読んでいました。当時の少女漫画家さんたちは岡田さんの美意識の影響をかなり受けていたのではないかと思います。西欧の街並みの描き方、雰囲気の作り方、やたら見覚えがあります。地上の国ではない「西欧」の夢幻イメージ、そうか、出所はココか、と今になって膝を打ちました。しかしある時代の少女というのは非常に教養主義的だったんですね。岡田さんは北海道の片田舎でヘルマン・ブロッホなんか読んでいた少女だったんですね。いやはや。
煙に巻かれ, 2005-05-02
著者の描きたいものが明確なため、1作品ごときれいにまとまっている。
とはいえ、
適当に開いたページから読み進めても楽しめてしまうという、何とも変わった魅力のある読みもの。
おもしろい!!
それが、20代前半男のファーストコンタクトの正直な感想。見も蓋もありません。
煙に巻いてるようですが、立ち読みではわかりません、寝そべりながら読みましょう。
万年思春期現象, 2004-04-02
この本の出版を機に作者を知ったけれど、読んでいて懐かしい感じがした。
小さい頃にテレビで見た異国のアニメを彷彿とさせるような変な気分。
なんとなく友達の少ない読書好きの頭でっかち気味少女が見た夢(悪夢?)を覗いているような気持ちになる。
実際、夢に見た風景をコマに描いているそうだ。
最初は表紙の絵と全然違うタッチのマンガばかりだったのでびっくりしたけれど、全体的にある空気は同質のものだと思いますので満足の一冊です。
詩情。, 2004-02-26
岡野史子に触れてみてほしい。
ただ気をつけてほしいのは、分かりやすくエンタテイメントな、
いわゆる「マンガ」を読む心づもりでは読みこなせない作品世界だということ。
…なんて言うと偉そうだけど。詩情の世界なんです。もう、ぎゅう詰め。詩情が。
岡田史子の作品は「実験的」で、彼女のデビューは「事件」だったらしい。
ただそれは絵柄がどうの、ということよりも「詩情」について言われたことでもあったんじゃないだろうか。
わたしはリアルタイムの読者ではないし、当時まだ生まれてないので「時代の空気」というものも分からない。
それでも岡田史子の作品にグッと心を持っていかれるのは、その「詩情」の作用だろうと思う。
岡田史子を知らないでいるのは、もったいない。
この本をきっかけに、あらたな愛好家が生まれることを望みます。
ファンじゃない人の正直な感想, 2004-01-24
ファンの人や、当時岡田作品を読んだ記憶のある方には、また別の味わいがあるのかもしれません。それは否定しないです。以下は、本作ではじめて岡田史子に接したぼくのような人間の感想です。
正直、この作品集、読むに耐えなかったよ。「絵本のような緻密さを見せ、独立したカットとして成立する秀逸なコマが数多く存在する」なんて、監修者・青島広志は言うけれど、ぼくはそうは思いませんでした。むしろ乱雑だったり整理されてないコマが目立つと思うし(もちろん「狙い」じゃないだろうとこについて言ってます)、一作ごとに絵柄をかえているのは確かに「実験的」なのかもしらんが、元ネタが消化しきれずにそのまま出てしまっている感じ(しかも狙ったとこにいけず、ず、ラクガキになってしまっている)。絵もヘタだ。かといって、最近よくある貸し本マンガ発掘作品なんかと比べてもトビや勢いがあるわけじゃないし。そういう点でも楽しめない。
間違いなくマンガがヘタな作家、それは言えると思う。これが好きってのは、よほど作家と相性がいいか、キッチュ趣味を持っているか、そのどちらかだよ。ぼくは残念なことに、彼女の描く世界にまったく惹かれなかったし、そういう趣味でもないので、読んでて辛かったと、そういうことです。
もちろん、岡田史子がどうしても必要な、そんな人にとっては本作は宝物であること間違いないです。本の製作にかかわった人の、岡田作品への愛情がにじみ出てきてますし、未発表原稿なども多く、好感が持てる本作りです。

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