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毎年のように多くの企業が倒産している。好況時でも必ず倒産が起こるところをみると、倒産は景気の好不況より、経営者の資質によるところが大きいようである。
本書で述べられている21社の倒産例を見てみると、そのことが明らかになってくる。2000年の最大の倒産、そごうグループはその典型である。興銀マンからデパート業界に転進、事実上のオーナー社長として40年近くも君臨した水島廣雄は、たしかに「そごう」を育て上げた。水島が就任する前のそごうはわずかに3店舗。その後、全国津々浦々、海外にまで店舗を展開し、そごうは押しも押されもせぬ一流百貨店にのし上がった。しかし、こうした拡大戦略の行き過ぎがバブル崩壊後、そごうを経営破綻にも導く一つの要因になったという見方もできる。
築地魚市場のエビ卸・堺幸のケースも、そごうの例と類似点が多い。創業者社長は会社を築地でも有数のエビ卸に育て上げたが、株、ゴルフ会員権などに投資し失敗。けっきょくは経営責任を問われて解任されるが、あらゆる法的手段を駆使して社長に返り咲いた。だが、復帰後、社員や取引先にそっぽを向かれ、社員も仕事もなく借金だけが残って会社は倒産。仕事は、元社員らが起こした新会社が引き継いだ。結末は違うが、社長のワンマン体制が招いた倒産という点では、そごうと変わらない。
さらに本書はIT関連企業の倒産劇についても複数の例を紹介し、原因を考察している。サクセスストーリーを読むのは楽しいし、勇気づけられるものだが、本書のような経営失敗例から学ぶことも多い。経営者のみならず、起業を志す学生やサラリーマンにも、ぜひ読んでもらいたい1冊だ。(高橋泰平)